黄疸はb型肝炎のサイン?感染したらどうなるの

肝臓は沈黙の臓器と言われるように、b型肝炎に罹っても自覚症状が無い場合もあります。病気に気付かずにいても、ほとんどの人は肝臓の機能に支障を来たさない無症候性キャリアと呼ばれる状態に落ち着きますが、1割程度の人は慢性肝炎となり肝がんや肝硬変を引き起こすと言われています。

今回は感染のサインを見逃さないために、b型肝炎について詳しく解説するので、参考にしてください。

b型肝炎に罹るとどうなる?

肝臓の病気は自覚症状がなかったり、病気が進行してから自覚したりと、発見が遅くなりがちです。それでも肝臓の調子が悪いと、黄疸が出るという話はよく聞くのではないでしょうか。b型肝炎の自覚症状にもやはり黄疸はあります。

しかし、その前に全身がだるくなって食欲を失ったり吐き気がしたりすることが多いです。初期症状は風邪など、他の感染症に罹ったときと同様の症状であるため、白目が黄色くなっていないか鏡でチェックするといいでしょう。

そもそも肝臓は栄養分の生成や貯蔵などを行う臓器であるだけでなく、体に入ってきたウイルスを排除したり細菌に感染しないよう体を守ったりもしています。b型肝炎の原因はb型肝炎ウイルス(HBV)ですから、肝臓が上手く機能してくれれば、増殖性の低いウイルスに抑えることができます。

こうなると無症候性キャリアとなり、特に治療を必要としません。自覚症状があり医療機関でb型肝炎と診断され、ウイルスが活発な状態の場合は、積極的な治療が必要です。と言っても、治療によって完治できる病気ではなく、治療の目標は無症候性キャリアの人と同じように増殖性の低いウイルスにすることに絞られます。

慢性肝炎から肝がんなどを発症しやすい人は、ウイルスがあまり減らない35歳以上の人や男性、45歳以上の人などです。

b型肝炎はどうやって調べる?

b型肝炎の検査は主に血液を調べます。ウイルスに感染しているかが分かるのが、HBs抗原が陽性か否かです。HBs抗体が陽性の場合は急性肝炎が治癒した状態か、ワクチンを摂取しており免疫を持っている状態ということが分かります。

それから、HBe抗原が陽性だと他人を感染させるほど多くのウイルスを持っているということで、反対にHBe抗体が陽性だと肝臓の細胞に影響を及ぼす危険性の低いウイルスということです。HBc抗体やIgM-HBc抗体の有無によって、感染時期などがある程度推定できます。

それに、血中のAST(GOT)値とALT(GPT)値の検査も基本です。この酵素は本来肝細胞の中にありアミノ酸の合成に役立つもので、細胞障害が起きると血液に流れてくるため、肝炎が活発かどうかが分かります。

主な感染経路は?

b型肝炎ウイルスに感染した人の血液が血中に入ることによって、自分も感染します。輸血や医療行為、怪我などがきっかけというケースではほとんどが急性肝炎で、自然に回復します。劇症肝炎となり死亡する可能性があるのは、ほんの一握りの人です。

さらに、慢性肝炎となる人もごくわずかです。キャリアになる人のほとんどは母児感染が原因で、成人すると1割程度の人が慢性肝炎となり、その2~4割強の人が肝がんや肝硬変を発症しています。妊娠したら、産科でb型肝炎検査を実施するのが一般的です。

出産時にb型肝炎ウイルスが赤ちゃんに移ってしまう恐れがありますが、医師が感染を知っていれば分娩室で必要な処置を施すことが可能です。処置とは、b型肝炎ワクチンとb型肝炎免疫グロブリン(HBIG)の予防接種です。

生まれてから12時間以内に予防接種を行えば、9割以上の確率で感染を予防できます。逆に、処置をしない場合の赤ちゃんが感染する確率は9割以上です。また、妊娠中も妊婦の健康状態を把握して、赤ちゃんに影響を及ぼさないようチェックすることも大切です。

もし血液検査で感染の可能性が高いと判断された場合は、妊娠後期に経口抗ウイルス薬が処方されます。これは妊婦や赤ちゃんの体に悪影響を及ぼすものではないため、心配はいりません。出産後の授乳についてですが、ほとんど感染する恐れはないと言われています。

反対に授乳によって様々な病原菌や細菌から赤ちゃんを守ることができるので、メリットの方が大きいです。

日常生活では性行為に注意して

b型肝炎は、オーラルセックスを含む性行為で移ることも少なくありません。ウイルスは精液や膣液、唾液などにも含まれるからです。先進国では赤ちゃんへの予防接種が実施されているので、母子感染のリスクは大きく下がっていますが、性行為に関しては注意が必要です。

特に4ヶ月の間に5人以上と性行為を行った人では、2割以上の人が感染したり過去に感染したりしているという検査結果が出ています。また、軽いキスで感染することはあまり考えにくいものの、ディープキスでの感染例は存在します。

入浴やプール、同じ食器での食事など、日常生活では水などが媒介となるため感染の可能性は非常に低いです。と言っても、家族間で感染しないように、ワクチン接種するのが賢明です。日本でも2016年からワクチンが開始され、特に子どもに対して接種することが推奨されています。

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国から給付金を貰える人も

一昔前の集団予防接種では、注射器の使い回しが行われていたために、そこからb型肝炎ウイルスに感染した人もいます。そこで感染被害者及びその遺族らが国に対して裁判を起こし、勝訴しました。昭和23~63年の間に注射器の使い回しによって持続感染している人を対象に、国は給付金を支払うことを決定しています。

また、感染したお母さんから移った子どもも対象です。対象者は裁判所に出向き、救済要件を満たすかどうか、証拠と照らし合わせて確認していくことになります。ですから、役所に行って給付金申請をするのではなく、国家賠償請求訴訟を提訴する必要があるということです。

給付金額は、死亡したり肝がんや重度の肝硬変を発症し、20年経っていない場合で3600万円、20年以上経っている場合で900万円となります。

経度の肝硬変でも20年経過していないかどうかで金額が変わり、慢性b型肝炎の場合も同様です。無症候性キャリアの人でも請求は可能で、その場合の給付金額は50万円です。

訴訟となると弁護士の力を借りるのが一般的ですが、気になるのは弁護士費用ではないでしょうか。弁護士費用はまず相談料と調査費用、着手金がかかるのが一般的です。でも近年ではこれらの費用を無料としている法律事務所は珍しくありません。

必ずかかるであろう費用は成功報酬となり、給付された金額の12%が相場となっています。

しかし、12%の内、特別措置によって国が4%を負担してくれます。

多くの法律事務所は初回相談が無料なので、給付金額と弁護士費用を聞いた上で依頼するか否かを考えるといいでしょう。時間と手間をかけられるようであれば、自分で訴訟を起こすことも不可能ではありません。